日本の犯罪史を振り返ると、1982年生まれの犯罪者・凶悪犯による凶悪犯罪がいくつか発生しました。ここでは「神戸連続児童殺傷事件」、「秋葉原通り魔殺人事件」、「西鉄バスジャック事件」など、当時、大きな社会的影響を与えた1982年生まれの犯罪者を紹介します。
1982年生まれ(昭和57年)の犯罪者・凶悪犯【早見表】
犯罪者の名前 | 生年月日 | 事件当時の 犯罪者の年齢 | 事件名 | 事件発生日 |
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非公表 (少年A、酒鬼薔薇聖斗) | 1982年7月7日 | 14歳 | 神戸連続児童殺傷事件 | 1997年(平成9年) 2月~5月 |
加藤智大 | 1982年9月28日 | 27歳 | 秋葉原通り魔事件 | 2008年(平成20年) 6月8日 |
谷口誠一 (ネオ麦茶) | 1983年3月 | 17歳 | 西鉄バスジャック事件 | 2000年(平成12年) 5月3日 ~5月4日 |
非公表 (少年A) | 1983年 | 17歳 | 岡山金属バット母親殺害事件 | 2000年(平成12年)6月21日 |
なぜ1982年生まれの犯罪者・凶悪犯が注目されるのか?
なぜ、1982年生まれの犯罪者が注目されるのでしょうか?
凶悪犯罪者がいずれも1982年から1983年生まれであったため
その理由は、冒頭で紹介した早見表を見れば分かるように、1982年から1983年に生まれた犯罪者が起こした事件が衝撃的で社会の注目を集めたためです。
「神戸連続児童殺傷事件」、「秋葉原通り魔事件」、「西鉄バスジャック事件」などの今までに類を見ないほどの、凶悪犯罪や凶悪事件が、これらの年に生まれた犯罪者によって引き起こされました。
それぞれの事件は、大量殺人や無差別殺人という極めて社会的に衝撃的な犯罪を特徴としています。これらの事件が引き起こされた当時、世間の注目は、単に事件そのものや犯人の動機、事件を引き起こすまでの過程に向けられるだけでなく、犯人の年齢やその世代にも向けられました。メディアでは「キレる世代」「キレる17歳」などと呼ばれ、この共通点が偶然であるのか、何か特別な要因があるのか、ということに注目が集まりました。
1982年生まれはプレッシャー世代
1982年生まれの人々は、子供時代はいわゆる「バブル世代」の末期を経験しました。彼らが生まれた時代は、経済が急速に成長しましたが、バブル崩壊後の長期的な不況により、「就職氷河期世代」とも重なる世代でもありました。
また、1982年生まれの人々の思春期や青春時代には、阪神大震災やオウム地下鉄サリン事件、アメリカ同時多発テロなどが起こり、個人では抗えないような震災や国際的な事件が起こりました。このような背景から、1982年から1987年生まれの世代は「プレッシャー世代」と呼ばれるようになりました。
社会的な競争の厳しさ、就職難、経済的な不安など、困難な現実と向き合わなければならない状況にあったため、一部の研究者や心理学者は、このような厳しい状況が一部の若者を極端な行動に駆り立て、犯罪を犯す一因になったのではないかと推測しています。
急速に普及・発達したインターネット
さらに、この時代に生まれた人々は、インターネットやSNSの普及が進む中で育ちました。しかし、同時に、情報過多やオンライン上の人間関係の複雑さ、新たなストレスや問題も生じました。
秋葉原通り魔事件ではネットに犯行予告がなされました。
秋葉原で人を◯します。車でつっこんで、車が使えなくなったらナイフを使います。みんなさようなら
事件発生時の掲示板サイトより
以上より、1982年に生まれた凶悪犯罪者たちの行動や心理、その原因や背後にある社会状況などに関心が集まるようになったと言われてます。