1988年生まれ(昭和63年)の人たちは、時に「やばい」「悲惨」と言われることがあります。これはなぜでしょうか?
この記事では、なぜ1988年生まれ(昭和63年)の人たちが「やばい」「悲惨」などと言われてしまうのかを掘り下げたいと思います。
1988年生まれ(昭和63年)がやばい・悲惨と言われる理由は?
1988年生まれ(昭和63年)がやばい、悲惨と言われる理由について、幼少時代から大人になるまでの状況を振り返りながら探っていきたいと思います。
1.【幼少時代】生まれて間もなくバブル崩壊!日本経済の悪化
1988年生まれが「やばい」「悲惨」と言われる理由の一つは、生まれてからすぐに日本経済が悪くなったためです。
1988年度で考えると、1988年(昭和63年)4月2日~1989年(昭和64年・平成元年)4月1日となります。つまり、1988年度生まれは、昭和63年・昭和64年・平成元年という3つの和暦が共存する奇跡的な世代です。
ですが、1988年生まれの「’88世代」の人たちは、1991年に起きた「バブル崩壊」の前に生まれ、日本経済を含め、激動の時代に生まれ育ったと言えます。
バブル崩壊とは、1991年3月から1993年10月頃にかけて起きた株価や地価(土地の値段)が暴落して日本経済が後退した期間を指します。
1988年生まれの人たちが物心ついたときから、日本経済は下向きだったのです。そして1990年代後半には「格差社会」などの言葉も登場しました。
2.【中学時代】ゆとり教育を受けたがために「ゆとり世代」と言われてしまう
1988年生まれが「やばい」「悲惨」と言われる理由の一つは、中学時代の「ゆとり教育」のせいです。何かと「ゆとり世代」を理由に、悪い風に言われてしまうことが多いためです。
ゆとり世代とは2002年~2011年の間に義務教育(ゆとり教育)を受けた世代のことです。つまり、1987年4月2日~2004年4月1日生まれの世代のことです。
1988年生まれの人たちは「ゆとり世代」に当たります。ですが、下の表をよく見てみましょう。
生まれた年度 | 義務教育期間 (小学校入学~中学卒業) |
---|---|
1987年度(1987年4月2日~1988年4月1日) | 1994年4月~2003年3月 |
1988年度(1988年4月2日~1989年4月1日) | 1995年4月~2004年3月 |
ゆとり教育は2002年から始まりました。つまり、1988年生まれの人は、小学生時代~中学生の途中までは、ゆとり教育以前の教育を受けているのです。そして、中学生の時に、ゆとり教育(新学習指導要領)に切り替わりました。
義務教育の終わり間近、しかも中学生という多感な時期に、ゆとり教育が導入されたのはかなりのインパクトです。
中学時代→ゆとり教育開始時2年で実験材料扱い&究極のアホ教育が行われた
1988年生まれって不幸じゃね? | 5ちゃんねる
後日ゆとり教育が見直されて失敗作扱い
そして、1988年生まれの人たちは、このような事情を知らない人たちから、以下のような言葉を数々と投げかけられることになります。
- これだから「ゆとり」は・・・
- 君は「ゆとり」だもんね~
- 円周率は「3」て習ったんでしょ?
- 台形の公式知らないってホント?
1988年生まれは小学校では円周率は3.14と習ってますし、台形の公式も習ってます!
3.【高校時代】「履修漏れ」が発覚!受験シーズンや卒業式は大混乱
1988年生まれが「やばい」「悲惨」と言われる理由の一つは、高校時代の履修漏れ問題に巻き込まれたため。
1982年生まれの人たちが高校3年生の2006年10月に、多くの高校で「履修漏れ問題(未履修)」が発覚し、注目を集めました。
「必履修科目」(ひつりしゅうかもく)とは、必ず履修しなければならない授業のことを指します。日常用語では「必修科目」(ひっしゅうかもく)と言ったりもします。
履修漏れがあると、もちろん卒業が出来ないことになるので、当時は各高校で、受験シーズンや入試、卒業などの大事なイベントが大混乱でした。
高等学校必履修科目未履修問題(こうとうがっこうひつりしゅうかもくみりしゅうもんだい)とは、大学受験における進学実績を向上させることを重視した高等学校が、学習指導要領では必履修だが大学受験には関係ない教科や科目を生徒に履修させなかったため、単位不足となって卒業が危ぶまれる生徒が多数いることが判明した問題である。
Wikipedia より
高校時代→高校3年時に履修漏れ事件が発生、受験が近い10月だっていうのに家庭科とか無意味な教科の実習をさせられる
1988年生まれって不幸じゃね? |5ちゃんねる
4.【大学時代・就活・入社前】リーマンショック・就職氷河期時代・東日本大震災
1988年生まれが「やばい」「悲惨」と言われる理由の一つは、大学時代や新社会人の時期にリーマンショックや東日本大震災が起こったため。
1988年生まれの人たちにとって、特に大学生の人たちにはとても厳しい時期が襲ってきました。
デフレでモノが売れず不景気だった2000年代、2008年にリーマンショックが起こり、世界経済が混乱しました。これが引き金となり、1988年生まれの就職活動時期に就職氷河期が到来しました。
さらに、そんな試練を乗り越えた1988年生まれの大学生が卒業や入社を間近に控えていた2011年に、東日本大震災が発生します。(以下は、早見表です。)
西暦(和暦) | 出来事 | 1988年生まれの状況 |
---|---|---|
2008年9月(平成20年) | リーマンショック(世界的な経済危機) | 大学・短大・専門学校2年生 (高卒なら社会人2年目) |
2010年12月(平成22年) | 大学卒業予定者の内定率が過去最低を記録 | 大学3年生、社会人 |
2011年3月(平成23年) | 東日本大震災 | 大学4年生、社会人 |
企業の採用計画も一層厳しくなり、多くの仲間が苦しい就活を強いられました・・・。
まとめ
以上、1988年生まれは「やばい」「悲惨」と言われる理由を解説しました。1988年生まれの人たちは常に社会的な不安と隣り合わせの中、育ってきたと言えます。
- バブル崩壊
- ゆとり教育
- 高校の履修漏れ問題
- デフレによる不景気
- リーマンショック後の就職氷河期
- 大学卒業・入社前の東日本大震災
1988年生まれは、社会不安が常につきまとったがゆえに、「失敗したくない」という意識やリスク回避の志向が高く、現実主義者が多いのも特徴な世代です。
逆に言えば、今後の人生で直面するであろう様々な課題に立ち向かうための貴重な経験となったと感じた人も多く、何事にもめげず、前向きに取り組む力強さが1988年生まれにはあるのではないでしょうか。